2023年11月3日、東京国際フォーラムに全国各地から医療的ケア家族会が集まり、来場が難しい家族会はZOOMで参加し、第2回全国フォーラムが開かれました。対面での交流に笑顔が次々と広がり、登壇者から数々のメッセージが発信されました。
一部始終を、アーカイブ配信でご覧いただけます。
会場となった東京国際フォーラムに全国各地から29の家族会が来場し、ZOOMでの参加も加わって、全国フォーラムは午後2時に幕を開けました。
第1部の「オンラインサークル活動報告」では、3つのサークルから発表者が壇上に上がり、アイラインが今夏に行った全国アンケートの結果を交え、以下のような問題提起を行いました。
<短期入所>発表者:松本美智子(神奈川県)
短期入所の機能は、単なる介護者の休息にとどまらず、きょうだい児のケアや、健全な家族の姿を維持するためにも重要です。サービスの量だけでなく質の向上も視点に、安心して利用できる制度を検討してほしい。
<防災>発表者:田中美紀(大阪府)
「電源」「個別避難計画」に加え、最も必要なのは個別性の高い医療的ケア児への理解です。命に直結する防災対策を、待ったなしの緊急課題として、国や行政は当事者と一緒に取り組んでほしい。
<学校>発表者:柿内祥子(鹿児島県)
学校での付添いにより多くの母親が自由を奪われ、寝不足の状態での送迎で事故を起こすリスクが高まっています。親の付添いなく地域の中で豊かな学校生活を送れるよう、全ての医療的ケア児が好きな学校を選べるようにしてほしい。
第2部は「私が今大切にしたいこと」をテーマに、医療的ケアが必要な高校生2人が、コンピューターによる合成音声でスピーチを行いました。
<森本琉久さん(大阪府)>
僕の高校では医療的ケアを担ってくれる看護師さんや介助員さんが不足しています。後に続く後輩たちのためにも、医療。介護職の方々の雇用を増やす政策を進めてください。
<関歌子さん(愛知県)>
多くを学んだ楽しい学生生活が、もうすぐ終わります。必要な時に必要な支援を受けながら、これからも学び、医療的ケアが必要でも仕事ができるようになることが希望です。
登壇した国会議員や文部科学省、こども家庭庁のパネリストからは、「すべての子どもの教育を受ける権利を守らなければならない」「医療的ケアが必要でも一人暮らしができるような環境を作っていきたい」「子どもと家族の声を聴くだけでなく、政策に反映させることに力を注いでいく」と、今後の政策決定に前向きなコメントがありました。
総括スピーチの中でアイラインの村尾副代表は「どこに住んでいても、どんな医療的ケアが必要でも、自ら選び、学び、安心して生活できる社会となりますよう、国政を担う皆様方には政策の充実、ケアを担う人材の育成をお願いします。」と締めくくりました。
アイラインは、今後も医療的ケアのある当事者や家族の声を大切に発信していきます。引き続き皆様のご協力をよろしくお願いします。
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